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新曲/MV「4℃に沈む」をリリースしました

  • 執筆者の写真: AETA
    AETA
  • 12 時間前
  • 読了時間: 7分

どうも、年末を迎えてそわそわしてる AETA(イータ) です。


この時期、クリスマスが終わって毎年の恒例行事といえば・・・


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そうです!今年もやってきました!鏡音リン・レンの生誕祭!杜本さんのイラストもきゃわゆす!


はや 18周年ですか・・・いつまでも若々しいお二人が羨ましいっ!


さて今回も KARNT 様のお祝い企画で新曲をお届けできればと思い、「Dystopian Nightmare」の動画制作完了後に早速作曲を開始しました。


といっても、決して順調だったわけではなく、2曲ほど途中まで作ってボツになったものがあります。


昔は作りかけたらとにかく最期までしがみついて完成させてたんですが、自分の中でのハードルがどうしても年々上がってきているので、客観的に自分が聴いて面白いものじゃないとモチベーションが維持できないんですよね。


なんだかんだ言って、創作の本来の目的はあくまでも自分が楽しむためなので。


ただボツが続くと、企画の提出日に向けての残り時間が削られていくわけで、正直気分に焦りが生じます。


こういうときは気分転換に普段と違うことをやってみるのが良いかなと思いまして。


少し前に特価セールで入手した Roland の ZENOLOGY Pro を使ってみようかなと。

ZENOLOGY Pro

曲を作り始めるときのきっかけとして、自分の場合は、


  • 昔のことや最近の嫌な出来事で溜まった感情のモヤモヤを吐き出す

  • 逆に楽しいことを妄想しまくる

  • ギターでひたすら面白いコード進行を探す

  • 好きな曲を分析して自分なりに消化し別の方向に広げていく

  • ループ素材から他のパートや前後を展開していく


大体このあたりのどれか(あるいは複数の組み合わせ)に落ち着くんですが、


  • 音色にインスパイアされて曲を作る


っていうのは、あまりやってないなぁと。


というのも、曲を作るときはコード進行をギターで作り、打ち込むときはアコースティックピアノかエレピのどちらかで入力して、かなり進んでから曲調に合わせて音色を決めることが多いのです。


なので、せっかく購入したし、どんな音が入っているか確認しつつ、あわよくば曲調を決めるきっかけになったらなと思いまして。


ただ、音色数が 4000 トーン以上もあるんですよね・・・最近はどのシンセもブラウザ機能があって、ある程度カテゴリーで絞り込むことができるので、楽にはなってるんですが、それでも大変です。


で、手始めにアコースティックピアノの音から始めようと思い、チェックしてましたら DNC Piano という音色がありまして。


これ、いわゆるリリースカットピアノと呼ばれる音色で、ピアノの音の余韻がぶつ切りで消える音色なんですが、YOASOBI なんかでもよく使われていて、そこから一気に広まった感じの「アノ音」です。


自分はまだ使ったことがなかったので、これをどう使いこなしてやろうかと興味があったんですが、ただプリセットの音はちょっと軽すぎて、メインでは弱くて使えないなぁと。


じゃぁもっとピアノらしい音からリリースカットピアノを作っちゃえ、ってことで E-Grand というグランドピアノっぽい音のリリースを短くして音を出してみると・・・これが歯切れよくて超気持ちいい!


リリースのつまみをほんの少し下げるだけで強烈にカットされるのはちょっと違和感がありましたが・・・あまり極端に下げると不自然になるので、数値的には微調整って感じですね。


E-Grand - リリースカット(RELEASE をほんの少し下げた)
E-Grand - リリースカット(RELEASE をほんの少し下げた)

というわけで、この音を全面的に取り入れた曲調で進めることになりました。曲のほぼ全編で使用してます。


イントロもこの音なんですが、ちゃんと白玉(ロングトーンで伸ばした音)で重ねると、普通にアコースティックのピアノの音なんですよね。休符を多用したり、アルペジオで前の音を重ねずに次々鳴らすとこのように化けるという。


最初のきっかけとなった DNC Piano は 2番の B メロで使っています(こもった音から明るい音になる部分)。この音は、ところどころで E-Grand の音を補強して強調したいときにも重ね合わせて使っています。


そういえば、今回 1番の A メロ、B メロ、2番の A メロ、B メロは全然別のものになってますね。


最初からこうしたかったわけではなく、こういったアイデアも、このリリースカットピアノから派生的に生まれたパターンを試しているうちに、「ええぃ!どれも入れちゃえ!」っていう流れの副産物ですね。


最近の流行りとしてはサビくらいしか繰り返しがないものも珍しくないので(そのサビも1回だけだったりすることも)。そういった意味では今風になったのかなと。


あと、作り終えたら曲の長さがちょうど 3分でした!今回テンポが 160 という早めなこともあるんですが、普段自分が作るとどうしても長めになっちゃうんで、これも今の時流には合ってるのかなと。


カップ麺タイマー曲としてもおすすめですw


というわけで、リリースカットピアノ、初めてのトライでしたが、ベースラインとの絡みも含めて、面白いアレンジが出来たんじゃないかと思います!大満足!


鬼門のマスタリングについては、今回も結構すんなり進みましたね。


ポイントとしては、パート数が多くなるととにかく中域に音が固まりやすいので、パートごとにキャラクターを残したままどこまで中域を削れるか、という点と、キックとベース以外を全て一旦 Side Chain のバスにまとめ、キックの低域に反応させて Side Chain の低域を下げるようにしました。


Side Chain
Side Chain

キックとベースはこの後で一緒に足されることになります。


キックとベースの帯域が被っているときはベースも Side Chain のバスに入れたほうがいいんですが、今回のように動きが多いベースだと頻繁にフレーズが引っ込んでしまって不自然になりやすいので、Side Chain に通さずとも全体の低域が飽和しないように、ベースの低域を下げてキックよりも上の帯域に逃がすようにしました。


最終段の MASTER では、定番の iZotope Ozone の前に、Waves の CENTER と Greg Wells MixCentric をかけています。


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左右の広がり感や倍音感を先に決めておいて、Ozone で最終的な EQ と音圧感を仕上げる、って感じですね。


最終的に曲名は「4℃に沈む」としました。タイトルや歌詞から色々と汲み取って想像を膨らませていただければと。


で、今回も曲を作るのに手一杯で、余裕を持ってイラストを依頼する時間がなかったので、自分で描きました。


4℃に沈む
4℃に沈む

イラストをクリックすると各社ストリーミング配信へのページに飛びますので、ご試聴いただけます。


今まで描いてきたイラストの中では一番大人びた感じかも。まぶたの上の影の入れ方も今風を意識しました。


ちょっと顎を上げた感じで曲調に合わせた表情にするのが難しかった~!


服を描かなかったのは時間がなかったからでも、ちょっとエッチくしたかったからでもありません!(きっぱり)


背景の渦にのまれる感じを出すのも難しかったですね。もっと精進せねば!


一応、締切には間に合ったんですが、データを提出して一息つくまもなく動画に取り掛かりました。


生誕祭に間に合わせようとすると 1ヶ月未満の状況でしたので、タイポグラフィアニメーション中心にしようという方針で進めることに。


といっても、キャラに動きが全くないのも寂しいので・・・


髪を揺らしたり口を動かす部分は AI サービスで数秒のアニメーションを作ってもらい、歌詞のタイミングに合わせてリップシンクを口元のマスク処理でひたすら手動で入れました。


これ、「あなたが私と付き合う100の理由」でもやったけど地味に面倒なんですよね・・・


というわけで完成した動画がこちら!



一番の課題だった背景の渦を動画でどう表現するか、なんですが、AviUtl2 でイラスト作成時に背景としてレイヤーで構成したものをそれぞれ回転させるだけではイマイチでした。


そこで、レイヤーの間に斜め方向への動きがあるまだら模様のノイズ(AviUtl2 の標準機能)のレイヤーを挟んで、これに極座標変換の渦巻き(これも標準機能でパラメーターは固定)を加えることで、斜めのノイズの動きがまるで渦を巻いているような表現にすることができました。


静止している状態で徐々にレイヤーを足すとこんな感じ。



実際には他のレイヤーも幾つか動かしているので割と複雑に見えますが、基本はノイズの変化+曲座標変換です。


色差のレイヤーなども加えることで、シーンごとに色味を変化させたりしてます。


そういえば最近また AviUtl2 のベータ版がリリースされましたね!未だに開発を続けてくださっている作者の KENくん さんには本当に感謝です!


というわけで、2025年もいよいよ終わりが近づいてきましたが、今後もマイペースながら地道に作品を発表できればと思いますので、2026年も引き続き何卒よろしくお願いします!

 
 
 

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