top of page

カテーテルアブレーションというものを受けてみた

  • 執筆者の写真: AETA
    AETA
  • 2 日前
  • 読了時間: 24分

更新日:16 時間前

どうも、AETA(イータ)です。


普段音楽ネタ以外でブログを書くことはほぼないんですが、貴重な体験をしてきましたので書き留めておこうかなと。


そもそものきっかけが今年の3月くらいのことで、引っ越しも無事に終わって新居での生活も始まり、日課のウォーキングに勤しんでいるときでした。


新たなウォーキングルートを開拓しようと思い、まだ通ったことがない小道を抜けたところ、ちょっとした坂がありまして。


見た目にもそんなきつい坂じゃなかったので、何気なしに登り始めたのですが、途中で息が続かなくなりました。


少し休みながらなんとか登りきったものの、「あれぇ?ウォーキング続けてるのにこんなに体力落ちてたの?」といささかショックでした。


こりゃ体力をつけるためにも、もっと時間をかけて長い距離を歩かないと!と思い、30~40分くらいで済ませていたのを1時間くらいにしたりと、負荷を上げてみたのですが一向に良くならず。


むしろ状況は少しずつ悪化していき、会社の階段もそれまでは一段飛ばして一気に3階まで登っていたのですが、動悸が激しくなって途中で休まないと登れなくなり、最終的にはゆっくり一段ずつじゃないと登りきれないようになっていきました。


もともと不整脈持ちで、定期検診で心電図を取ったときに右脚ブロック(心室の右室への電気の通りが悪くて、左室から伝わって右室が遅れて脈動する)という診断は昔からもらってたんですが、特に精密検査が必要というわけではない、ということであまり気に留めていませんでした。


ですが、流石にこの違和感が長く続いているため、人間ドックの際に一度詳しく調べてみようと思いまして。


調べてみるとオプションで「心臓エコー」とこれに加えて「ホルター心電図」も受けられる選択肢があり、両方だと2万円近い出費になるようで。


金額でちょっと悩みましたが、ここでケチって何か見落とされてしまうのも怖いなと思い、両方受けることにしました。


で6月になり人間ドックの日。オプションの心臓エコーはゼリーを塗られて超音波で心臓の動きの様子を見る、というやつなんですが、ホルター心電図というのは心電図を計測するための電極と手のひらに収まるポータブルな機械を胸に貼り付けて、1日中記録するんですね。


で、一日の行動記録も紙に記入していくわけです。これで、安静時や運動時、就寝時など、どういった行動を取ったときに心電図がどのように反応したかが後で見比べて分かるようになっているんですね。


このホルター心電図の機械、なんと防水設計だそうで、つけたまま入浴も可能、という代物でした(壊すのが怖かったのでシャワーにしましたが)。


で、翌日取り外しのために再度病院を訪れ、後日に結果が郵送されてきました。


「要精密検査」「この封筒の中身を開封せず、そのまま受診を希望する医師に渡してください。」


どんな資料が入ってるの?!やっぱり何か異常があるのかも…と一気に不安が。


ちなみに、人間ドックと精密検査の外来って連携してなくて、人間ドックの結果が入った資料を持って、自分で診察してもらいたい病院を選んで受診してね、ということのようです(どこの病院もそうなのかな?)。


まぁ今までずっと同じ病院で人間ドックのお世話になってるし、精密検査も同じところで診てもらうほうが話も早いかな、と思い外来予約を入れようとしたら、最速でも翌月とのことで7月頭に予約を入れました。


同じ病院でも連絡先が違うので、それぞれ一から説明しないといけないのが煩わしいなぁ…


で、いよいよ精密検査の日。検査自体は、心電図以外に普通に採血とかレントゲンなどを一通り受ける、という内容でして、人間ドックで先月に全部受けてるんだから要らなくない?と思いつつも、まぁ再確認のために必要なんだろうと自分を納得させて、いよいよ診察(予定時間よりも2時間くらい遅れた)。


「AETAさんの症状は期外収縮ですね。」


なにそれ?今までそんな病名聞いたことないんですが?


要は、本来のタイミングと違うタイミングで電気が流れる経路があって、それによって正常な脈動が邪魔されている、ってことらしいです。あとで調べて分かったんですが、動悸以外にキューッとという胸の締め付けとして症状が現れる場合もあるようでして。


うーん、たまに胸の締め付けがある、ってことは人間ドックの問診の際にここ数年毎年書いてたんだけどなー。問診医は何もアドバイスしてくれなかったぞ。


人間ドックは流れ作業だから見逃されることも多い、って聞いてたけどやっぱりそうなのかなって感じですね。オプション検査を勧めてくれれば、もっと早く分かって対処できたかも、というモヤモヤが。


いずれにせよ、病名が分かってスッキリ。あとは治療方法だな。ちょっと前に NHK で心臓に関する特集やってて、最近は投薬治療がすごく進んでいる、という内容だったので、薬を飲めばいいのかな?と思っていたところ、


「カテーテルアブレーションという方法がありまして・・・」


なにその必殺技みたいな治療方法?!っていうかカテーテルってあのカテーテル?


いやーなイメージが頭をよぎります・・・


何かといいますと X の一部界隈でも話題になっていた、とある脳外科医のことです。

(不必要に不安を煽りたくないので直リンクはしませんが、執刀をお願いする病院や医師のことを事前に調べることも重要かと思い、書かせていただきます。)


カテーテルでの治療というのは今では幅広く行われているようですが、想像するだけでも繊細な作業だし、それなりに危険性もあるんだろうな、というのはすぐに察しました。


このときに診察を担当してくださった医師は丁寧に説明してくださり、局所麻酔で足の付根からカテーテルを心臓まで入れ、余計な電気信号の元になっている箇所をカテーテルで調べ(3D マッピングで可視化できるらしい)、狙いを定めて焼く、ということでした。


薬で抑える選択肢もあるが、あまり効き目はなく、長期間飲み続けるよりも手術で治療したほうがよい、という判断でして。


ただし、それなりにリスクがあることについても説明してもらいました。そのときに限って症状が出ない、手術中のリスク、手術後に再発する可能性、など。


通常、手術をするかどうかの判断は期外収縮が10%以上発生する場合に検討するらしいのですが、アタクシの場合は25%を超えている、とのことでした(しかも連発していた)。


とはいえ、急に手術の話や治療方法を聞いてもすぐその場で決断することができなかったので、迷っていると、「カテーテルアブレーションという言葉で検索したら色々と出てきますよ。」とのことで、一旦どうするか検討して翌月の診察の際にお伝えするということに(緊急性がないので翌月となった)。


手術かぁ・・・過去に別の手術を2度受けてるので、それ自体にはあまり抵抗はないんだけど、手術をする部位が心臓なだけに、もしものことも考えないとなぁ・・・


で、色々調べると、カテーテルを入れるときに血栓を飛ばしてしまい、脳梗塞になる危険性とか、熱で焼くので心臓の近くにある食道に影響が残る場合があるとか、どうしてもネガティブな情報が気になるわけで。


なになに、パルス・フィールド・アブレーションっていう熱を発生させない方法もあるのか(アブレーションというのは本来やけどの意味)、あっ、でも心房細動(ものすごく細かく震えて脈を打ってしまう)っていう症状のときだけ保険適用で使える手法なのか、とか。


まぁ気になりだしたらいくらでも情報が出てくるので、ポイントだけ絞って次回質問しようと。


それよりも肝心の、どこで執刀してもらうのがベストなのか調べたほうがいいな、と思い病院のホームページを見てみると、これまでのカテーテルアブレーションの実績件数が殆どの病院で掲載されていることに気づきまして。


そういえば、同じ職場の先輩の奥さんがとある病院で働いてて、お父様もそこでカテーテル治療されてたな、ということを思い出し、その病院のホームページを見てみると、かなり昔からカテーテル治療に取り組んでいて、実績件数もこのあたりでは非常に多いことがわかりまして。


その病院で改めて診てもらったら、ひょっとして投薬治療でもOKってことになるかもしれないし、仮に手術をすることになっても安心かな、ってことで、セカンドオピニオンで紹介状を書いてもらえないかと思い、翌月の次回診察時に紹介状をお願いしたいことを電話で受付の方に連絡しました。


で、当日は再び心電図を取ることになっていたので「紹介状をもらいたいだけなので、心電図不要ですよね?」と確認したのですが、「それでも心電図が必要だそうです。」とのこと・・・


まぁ仕方ないか、と思い渋々承諾。


そして、8月。


再度病院に赴き、心電図も取り終わっていざ診察のタイミングで、「さて手術の件どうします?」


あれ?紹介状の件、伝わってない?


仕方ないので、セカンドオピニオンで別の病院で診てもらいたい旨を再度説明。


「うーん、セカンドオピニオンだと結構お金かかっちゃうんですけど大丈夫ですか?」


えっ?そうなの?!


全然知らなかったんですが、どうやらセカンドオピニオンってのはあくまでも最初に診てもらった担当医のまま治療を続けるけど、それ以外の医師からの意見も参考にしたい、という場合であり、別の医師のもとで新たに診療行為は行わず、最初の担当医から受け取ったデータに対しての相談だけ(受け取り側がこれに要した時間に応じて全額負担となるため高額になる)ということらしいです。


安く済ませたいなら紹介状だけのほうがお金はかからないけど、その後の治療は以後そちらになる、ということでした。


「僕は本当にどちらでも構いませんので、AETAさんが決めてくださって結構です。」


病院を変えたいとなると変に気を使ってしまいがちですが、こういう風にはっきりと言ってくださるのは患者にとってありがたいですね・・・


自分の場合は手術の必要性や治療も含めて次の病院に任せたかったので、紹介状を書いていただき転院ということにさせていただきました。


でも、こういうのってやっぱり気が引けますよねー。決して信頼していないとかそういうのじゃないので・・・紹介状を書く担当医の方にも余計な手間を取らせちゃうわけですし。


この辺りは伝え方一つだと思うのですが、「家族と相談して念の為に別の病院でも診てもらえと(これはちょっと嘘だけど)」「知り合いにその病院に勤めてる人がいまして」といった感じでお話させていただきました。


「じゃぁ紹介状を用意しますね。おそらく自分がお伝えした内容と8割~9割は同じことを次の担当医の方からも説明されると思います。そのうえで、何か迷うようなことがあって、やはりもう一度こちらで受けたい、ということであれば、遠慮なくおっしゃってください。その際に新たに初診料がかかることはないようにしますので。」


ありがたい・・・!正直なところ、転院がベストな選択かまだわからない状態だったので、この言葉にはかなり救われました。


そして診察が終わり受付で待っていると、転院先と連携が取れてるので、ここですぐ予約が取れます、とのこと。


じゃぁ転院先の都合に合わせてもらっていいので、なるべく早い日であればどこでもいいです、とお伝えしました。


てなわけで、紹介状を準備していただく時間も必要とのことで、翌々週に転院先で診てもらうことに。


そして転院先での初診日。意気揚々と乗り込むと・・・なんだこのおしゃれな病棟は?!


待合室が開放的なカフェテリアっぽい雰囲気で、病院独特の重苦しい雰囲気が全くありません。


どうやら最近新しく増築して建てたらしく、診療や会計、次回の予約も含めてバーコードが印刷された紙一枚をピッとかざせばスムーズに行える様子。う~んシステマティック~♪


デジタル化ってこういうことだよなーとひとしきり感心しておりました。


そして受付を終わらせて待っていると、看護師の方が来られて「いよいよかな?」と思ったら、


「あの・・・今日って不整脈の担当医の方は執刀日なので診察ができないんですよ。」


えっ?!どういうこと?!


どうやら予約を取ってくれたのはいいのですが、担当医の診察日かどうかまでは気を回していただけなかったようで・・・


「検査だけならできますけどどうします?受けます?」


AETAの筋肉ルーレットが出した結果は一択でした。


「うーーーけーーー・・・るーーー!」


せっかく有休使って休んでまで来てるのに、何もしないって選択肢は流石にないよなぁってことで、検査だけ受けることにしました。


で、採血して、レントゲン撮って、心電図取って・・・


あれ?紹介状と一緒に全部データ送られてるはずなんじゃ・・・まぁいいか(この時点でもう細かいことを気にするのをやめました)。


明るい雰囲気の待合室で、呼び出される順番が何番目かまでディスプレイに表示されてるのもこれまた素敵。


前の病院はいつ呼ばれるか分からないから、お手洗いに行くのも億劫だったんですよねー。


ここでは個人情報保護のためか、基本的に番号だけで呼ばれるシステムになってました(何度呼んでも本人が現れない場合だけ名前が呼ばれる)。


そんなこんなで一通り検査を終え、再度2日後の診察日に訪れることに。


そしていよいよ診察日。


担当医の方が開口一番「先日はわざわざお越しいただいたのにすみませんでしたね。」


いやいや、先生は何一つ悪くないから!ってか丁寧過ぎぃぃぃ!


その後は、紹介状に書かれた内容(「期外収縮が26連発」とか書いてあった。高橋名人よりも10多いw!)や添えられたデータ、この病院で取ったデータをもとに、今後の治療の話となりました。


「投薬治療だと難しいですか?」


「少し強めの薬で一旦様子を見る、ということもできますが・・・うーん、これだけ頻発してるとカテーテルアブレーションしたほうがいいですね。」


やっぱり・・・話の内容も確かに前の担当医の方とほぼ同じでした。ただ、いくつかの点で踏み込んだ話がありまして、


「この心電図のパターンだと、比較的表層に近いところで起きている可能性がありますね(深いとなかなか焼けないので厄介らしい)。」


「焼くときはどうしても痛みがあるので、うちでは最初は局所麻酔でカテーテルを入れて検査で部位を絞り込みますが、焼くときには全身麻酔に切り替えて痛みがないようにします(前の病院では局所麻酔のあとの説明は無かったような・・・全身麻酔だと症状が出なくなるケースがあるから局所麻酔のまま施術っていってた気が)。」


「治療すればすごく楽になると思いますよ。」


って感じで、結構具体的な手術内容に踏み込んで説明してくださったので、ここはもうすべてをお任せしようかなと。


これだけ新しくて立派な病院なら何かあっても対応は大丈夫だろうし(単純)、仮にここでダメだったとしても最善を尽くしてくれるならいいじゃないか、とそんな気持ちになっていました。


そういえばカテーテルを入れたときに血栓を飛ばしちゃう危険性があるから、事前検査するケースがあるってどこかに書いてあったな。聞いてみよう。


「心房細動ではそういったことがありますが、期外収縮ではそういったことは起こらないので不要ですね。」


ほっ。なら安心かも♪


一応リスクも聞いておこうかな。


「カテーテルを入れて検査するときに限って症状が出ない、ってことがあります。」(知ってる)


「治療して一旦治まっても再発のリスクがあります。」(知ってる)


「あと、焼く際に本来必要な部分を切ってしまった場合はペースメーカーを入れることになります。」(おぅふ)


再発のこととかは聞いてたけど・・・ペースメーカーの話とか正直すぎて怖い~w


でも、一通り話を伺って覚悟も決まったので、「先生、お願いします!」と。


で、早速日取りを決めることに。なんと運良く翌々週の連休前に空きがあるとのこと。しかも、通常は3泊4日らしいけど当日入院で手術だと2泊3日で済むらしい。


乗るしかない・・・この Big Wave に!


ってことでトントン拍子に手術の日程が決まったのでした。


この日に入院手続きなど必要なことをすべて事前に済ませてしまい、当日はいきなり手術病棟に足を運べば OK、ということに。


いやぁ色々あって時間がかかったけど、ようやくここまでたどり着けたなぁ・・・(しみじみ)


そして入院手術の前日、病院側で必要なものは1日500円ですべて用意してもらえるケアセットを頼むことにしていたので、T字帯(いわゆるふんどし。カテーテル治療時に必要。)と着替えをいくつか用意したら準備完了。楽ちん~♪


万が一何かあったときのことを考え、ノートにPCや携帯、その他利用中の重要なサイトへのログイン方法を書き留め、あとの処理に困らないようにしておきました。もしものときは頼んだぜ!


そしていよいよ当日。


以前に手術したときは大部屋で、同室の方の様々な人間模様を眺めるのが面白かったので、今回も大部屋を希望していたのですが、通されたのは個室。


「まだ片付けが終わっていないので、こちらで準備していただいて、手術後に大部屋に移ってもらいます。」


あら、事前にご挨拶とかしたかったのに、とか思いつつ、まったりしてたら、


「剃毛が必要なのを伝えるの忘れてました!」


剃毛って、あの剃毛?大事なところをツンツルツンにするやつ?!


きゃーっ!見られながら剃られちゃう~っ!


「これで下半身の毛を剃ってもらえます?」(バリカン登場)


あーっ・・・セルフですね。了解ですー・・・


もともと体毛がかなり薄いので、足とかはほとんど剃る必要がないくらいだと思ったのですが、カテーテルを刺す右足の根元(心臓は左だけどカテーテルは右側から入れる)周辺にがっつりテープを貼るらしく、毛が少しでも残っていると剥がすときに痛いそうなので、なるべく丁寧に剃ってくれとのこと。


とはいえ、こちとらバリカンなんて使ったこともないし、足だけならまだしも、足の付け根付近なんて大事なおち◯ち◯が生えてる上に、きゃんた◯もご近所にお二人鎮座してらっしゃるわけで。


指定されたシャワー室でバリカンを恐る恐る近づけるたびに大事なところの皮膚に刃先が当たったり、毛が巻き込まれて「いてっ!」という声をシャワー室で一人上げておりました。


こういうのやりだすと完璧を目指してしまい、いつまで経っても終わらないのですよね・・・


気持ちとしてはカミソリできれいに剃りたかったけど、それだと切ったりする恐れがあるから使わせないんでしょうね。ある程度終わったところで看護師さんに確認してもらい(見せるときに心のなかで「ウワァォ❤」の効果音が流れた)、無事にOKをいただきました。


「尿管どうしますか?尿瓶を選ぶこともできますけど?」


あー、そういえば手術中の全身麻酔と手術後は絶対安静だからトイレに行けないので尿管を入れたほうがいいって先生が言ってたなぁ・・・


入れた経験はあるけど、前は麻酔中だったから痛みもなかったんだよな。意識がある状態だと入れるの辛いかも。でも抜くときの開放感を味わいたい気もするし。そういえば前のときは尿管を抜くとき看護学校の女学生達に囲まれて見られたの恥ずかしかったなぁ・・・(この間0.5秒)


「尿瓶でお願いできますか?」(ヘタレ)


院内着に着替えてたら手術の予定時間が早まったとのことで、点滴を開始。そしてしばらく待っていると、


「じゃこちらにどうぞ~。」


軽やかな呼びかけの看護師さんのあとに続いて手術室へGo!


ドラマとかだと可動式の担架みたいなベッドに乗せられて手術室まで運ばれてるシーンが思い浮かぶかと思いますが、実際には歩ける場合は自分でてくてく歩いて、手術台にも自分で上ったりするのです(すっかりそのことを忘れていた)。


それにしても手術室ってやっぱり緊張しますよね・・・見たことないゴツい機械がいっぱいあるし。どういったことをされるか説明を受けてても、どうしても身構えちゃいます。


胸に心電図用の電極を貼られ(足首もだったかな?)、背中に板のようなパッドを何枚か貼られ(おそらく手術中にレントゲンでモニターするための板)、いよいよ開始!


「まな板の上の鯉」とはまさにこの境地ですね。昔の人は上手いこと言ったもんだなぁ・・・


右足の根本(鼠径部のすぐ横)辺りをチクチクされる感覚はあったんですが、もともと痛覚が少ない部分なのか局所麻酔がよく効いたのか、痛みはほとんどありません。気がついたらいつの間にかカテーテルが入っていたようです。


で、後で知ったんですが、アタクシの場合は動脈1本に 2.6mm、静脈3本に 2mm の計4本のカテーテルが入っていたそうです。


いやぁこれだけの数のカテーテルを心臓まで導く手技の凄さ!もはや神業ですね!


どのタイミングで行われたのかは分からないのですが、おそらく点滴またはカテーテル経由で造影剤が入っていて、心臓での血液の流れがレントゲンで見えるようになっていたようです(本来血液はレントゲンに映らない)。


これで、血管に問題がないことも確認しながら、カテーテルで検査を進めるのですが、複数のカテーテルの先端がそれぞれ異なる場所と方向を向いていて、それぞれが心臓の電気信号の流れを読み取ることで、どの部位から先に反応しているかを 3D マップ上で測定できるようです(あとで見せてもらった)。凄い仕組みだなぁ・・・


アタクシの場合、問題があったのは右心室で、通常よくある場所よりもさらに 1cm くらい下の部分に問題箇所があったようです(「あぁ~随分下だねぇ。」という先生の声が聞こえていた)。


このあたりで口の周りを覆う麻酔用のマスクをあてがわれ、意識がいつの間にか無くなっていました・・・


「・・・さん!AETAさん!終わりましたよ!」


うーん、せっかく気持ちよく寝てたのに・・・起こさないでよぉ・・・


「あ、はい。」と言おうとして喉に違和感が・・・そして、まだ麻酔が効いてるせいかうまく喋れません。


あ、全身麻酔に切り替えたあと、気道確保で管が入ってたのか・・・すぐえづいちゃう(嘔吐反射というらしい)体質だから心配してたけど、意識がない間に済んで良かった~


とりあえずお礼を言わなきゃと思い、手術台から運ばれながら「ふぁひふぁとうふぉふぁいまひたぁ~(ありがとうございましたのつもり)」と声にならないようなうめき声で返事をするのが精一杯でした。


執刀開始がお昼すぎの2時前、大部屋に移動したのが夕方の4時半くらいだったので、2時間半くらい経過していたようです。


あとで教えてもらったのですが、やっぱり検査してある程度絞り込めてもいきなりビンゴで仕留めるのは難しいらしく、最終的には十数回、一回につき30秒から50秒ほど焼いて治まったそうです。


治まったあとも確認のために、わざと心拍数を上げて(カテーテル?薬?)、そこから自然と心拍数が下がって完全に落ち着くまでの間に症状が出ないことも時間をかけて確認してくれたそうです。


さすがプロ!徹底してるぅ!


手術台に上がったときは期外収縮が頻発していて、皆が驚くくらいアラームが鳴りっぱなしだったとのこと。やっぱり緊張してたのかなぁ・・・


とまぁここまでは全身麻酔だったこともあって、あっという間だったんですが、この後が長かった!


カテーテルを刺した部分からの出血を防ぐために圧迫止血しているのですが、4時間くらいはベッドの上で絶対安静が必要らしく、上半身も下半身も全く動かせない・・・(ちなみに心電図を遠隔でモニターする装置を首からかけた巾着に入れてぶら下げたままの状態)


まだ眠い・・・けど腰が痛くて眠れん・・・!


とにかくひたすら時間が経つのを待つだけ・・・なんだけどこれが地味に辛い!


1時間毎に検温と血圧、血中酸素濃度などを看護師さんが測りに来るのですが、うつらうつらし始めた頃に毎回起こされちゃうのもこれまた辛い。


「上半身だけなら45度まで持ち上げていいですよ。」との許可がようやく出たのが夜の9時頃。ベッドが電動式なので、ボタンで簡単に好きな角度にできるのがありがたい。これだけでもかなり楽になりました!


ここで遅めの夕食。


ゼリー3種
ゼリー3種

手術前のお昼ご飯はなしだったので、久しぶりの食事!うんまそぉ~♪


しかし、45度の角度で食事をするのがこんなに難しいとは!


テーブルをめっちゃ近づけてもらってなんとか口に運べる形になりました。いっただっきまーす!


まずは一品目の茶碗蒸し。


ほんのりゆずの上品な香り。あっさりしたお出汁の効いた玉子の優しい味が体に染みるぅ~!


これうんまぁい♪


そして二品目のアガロリーのモモ(アガロリーってなんぞ?)。


桃、大好きなんですよねー!果物の中で一番しゅき!これは間違いない!


欲を言えば果肉が入って欲しかったなぁ~。あ、でも喉に詰まらせないように固形物を避けてるのかも。


最後にりんご味のフルーツゼリー。


あー、これは想像したとおりの以上でも以下でもない味ですねー。でもさっぱりして美味しい♪


結論。


「安西先生、どうせなら茶碗蒸し2個+桃ゼリーが良かったです・・・」(甘いの2個はちょっと飽きた)。


ここから更に1時間経過して、ようやくベッド上で体を動かせるようになりました。といってもカテーテルを刺していた右足はまだ動かしちゃだめってことで。


いつになったら自分でトイレに行けるのかなーって気になって看護師さんに聞いてみたら、「朝6時までは立って移動しないようにお願いします。」との返事。ぬぉーマジかぁ・・・


ゼリーと一緒にお茶も出されたんですが、トイレに行きたくなるのが嫌だったので、飲むのを我慢しちゃいました(しんどくて尿瓶使うのも面倒だった)。


ここからも朝まで看護師さんの回診が続き、ようやく朝の6時。普段と寝床が変わってただでさえ眠れない上に寝返りも打てなかったからほとんど眠れませんでした・・・


まぁこれは想定の範囲内でしたが、腰がとにかく痛い!


あと、あちらこちらで時折「ぶっ!」という屁の音がw


まぁ生理現象なので許そう。私は寛大なのだ。


この後ようやく看護師さんに許可をもらって、ふらつきながらも、部屋の中に併設されたトイレにて用を足す。


じょろじょろじょろ~。はぁーっ、幸せぇ~♪


自分で用を足せることのありがたみを改めて知りました。


ちなみに用を足す前に圧迫止血用の太いテープ(粘着性の高いやつ)をべりべりーっと剥がしてもらったんですが、まぁ強力なこと!


やったことないんですけど、脱毛テープってきっとこういう感じ?体毛薄いからって剃毛手抜きしなくて良かったぁ~!あんなのにお毛々巻き込まれたらたまったもんじゃないですよ多分。


代わりに大きめの絆創膏が一枚貼られました。えっ・・・そんなんでいいんだ・・・


この後は食事制限もなく、朝から3食普通にいただけたのですが、食事以外はやることがない状態で。


入院前には「よぉーし、アニメとかいっぱい観ちゃうぞぉ~!」と意気込んでたんですが、実は1日中微熱が続いてまして。


あとで調べて分かったんですが、心臓を高周波による熱で焼くので、やけど(アブレーション)をしている状態なんですね。なので、微熱が出たりするそうです。


といっても、このときは微熱の理由も分からず、「ふらふらするけど麻酔の影響かなぁ・・・寝不足のせいかも?」ぐらいに考えてました。


そんな状態でしたので、スマフォを眺めるのも辛くて、ひたすら1日中横になってましたね。


そんな状態でうとううとしてると、担当医の先生が来られて、


「AETAさん、良かったね!全然症状出てないよ!随分楽になったでしょ!」


と、まるで自分のことのように喜んでニコニコ話されてるのがとにかく嬉しかったです。確かに、術後しばらくは胸焼け感のような違和感が少しあったものの、突然起きる動悸のような症状は全く無くなっていました。


ちなみにカテーテルって入れるときにてっきりメスでぶった切るのかと思っていたのですが、管のようなものを刺して、その中に長いカテーテルを血管に沿わせて通すような方法らしいです。


なので、抜いた後の縫合も基本的には不要とのこと。術後の痛みも残りませんでした。


ちょっと太めの点滴針を刺されるような感じですかねー。


医療技術ってすんごい!


続いてた微熱も夜中には治まったようで、ようやく一眠りすることができ、退院日となる3日目の朝にはすっかりよくなってました。


退院の直前まで心電図をつけていたんですが、最後に先生がもう一度来られて、「AETAさん、今日退院だね。あれから不整脈、一度も出ていないよ!」とニコニコ顔。その笑顔にこちらが嬉しくなって・・・


感謝の言葉をもっとうまく伝えたかったんですが、少しこみ上げるものがありましたね。


結局6人の大部屋だったのですが、カーテンで完全に間仕切りされてることもあってお隣さんとしゃべる機会もなく退院となりました。


周りの方は私よりもかなり上の高齢者の方で、何度か手術を繰り返されている方や、検査はできたけど手術するには難しいので一旦延期になった方など、いろんな事情の方がおられるようでした(半分くらいの人が看護師さんとすでに何度か面識があるような状態)。


そういった方々よりも先に退院するのがちょっと申し訳なくて、若干気が引ける感じでしたね・・・


そんなわけで、兎にも角にも無事に退院できました!


1ヶ月後に術後の検診があるんですが、再発してないといいなぁ・・・


とりあえず景気づけに退院したその足で、すぐにからやま弁当を買って帰りました。


からやま弁当(4個)
からやま弁当(4個)

さっくさくの衣とジューシーなお肉・・・やっぱあんた最高やで・・・!


てなわけで、自分と同じように不整脈の診断を受けた方や、最近の健康状態にちょっと不安がある方にとって、少しでも参考になれば幸いです。


「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」


某アニメの大好きなセリフですが、健康もそうですね。


毎年定期検診受けてるから、とかで安心しちゃいけません。年齢とともに現状維持ですら努力によって勝ち取るものになっていくわけですから、自分の体の変化を敏感に感じ取って、おかしいと思ったらとにかく早く医師に診ていただく、これが大事かなと。


アタクシの場合は緊急の対応が必要でないケースでしたが、それでも症状を自覚してから最終的に手術に至るまで 6ヶ月もかかっているので、人間ドックを待たずにすぐ診てもらうべきだったなと反省しております。


皆様もどうかくれぐれもお体を労って、健やかな日々をお過ごしくださいませ!

 
 
 

コメント


Featured Posts
Recent Posts
Archive
Search By Tags
Follow Us
  • Twitter
  • YouTube

© 2025 AETA

  • X
bottom of page