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長く続けるということ

どうも、AETA(イータ)です。

今年もまた一つ年を取りました。

無事に生きてることに感謝です。

さて、今年でボカロで投稿を始めてから、なんと…10年になるんですねー。

10年…長いようで短いような…それにしてもよく続いたなと。

振り返ってみると、投稿最初の頃はとにかく曲を作るのが楽しくて、がむしゃらにやってましたね。

当時は仕事も残業続き(毎年1000時間くらいやってた)でかなりヘビーな状況だったんですが、「毎月必ず投稿する!」っていう妙なノルマを自分に課して、栄養ドリンク飲みながらそのまま朝まで作業して会社に行ったりとか。(よく死ななかったなぁ…)

ニコニコ動画に投稿して、再生数やマイリスの数をブラウザのリロードでしょっちゅう確認し、ついたコメントに一喜一憂して…

当時はニコニコ動画も黎明期で、初音ミクも発売されてボカロ曲が大量に投稿され始めた時期で。

ボカロが語られる際、とかくニコ動のコメントシステムや初音ミクのキャラクター性、二次創作の輪などが取り上げられがちですが、無粋な話「ニコ動でボカロなら無料で色んな音楽がたくさん聴ける」というのがボカロのブームの本当の火付け役になってたんじゃないかなと。あくまでも高性能な着火剤としてですけどね。

そんな訳ですから、「なんかいい曲ないかなぁ」って感じで訪れる人が今よりも多かった印象があって、比較的、新規参入者にとってはスポットが当たりやすい状況だったと思います。

偶然とは言え、この時期に興味を持って始められたのは運が良かったとしかいいようがないです。

今じゃ音楽なんて無料は当たり前。それでもボカロが根強く残っているということは、単なるブームでは終わらないそれなりの理由(多分、あなたの答えがあなたにとっての正解)があったということですね。それは皆様もご承知のとおりかと。

それにしても、今は聴いてもらうこと自体が本当に難しい。投稿して「今度こそ!」と淡い期待をしても、「ありゃぁ…」という繰り返し。

それでも、「あっ!再生数増えた!」とか「新しいコメントついた!」とか「マイリス増えた!」とかで、やっぱり一喜一憂してしまう。

まぁ10年経ちましたが、基本的には今でも何も変わってないんですよね。

とは言うものの、これまで決して「もう音楽活動辞めようかな…」と思ったことが無かったわけではありません。

社会人って仕事の立場や生活環境の変化もあって、いつまでも昔と同じように創作活動に集中できなくなってくるんですよねー。

あと体力の衰えとか。やっぱり睡眠時間を削って深夜遅くまで作業するのがびっくりするくらい無理になってくるわけです。悲しい…

そうやってペースが落ちているにも関わらず、耳が肥えて知識も入ってくると曲としての完成度に加え、音へのこだわりも強くなる。

作曲そのものの時間よりもミックスやマスタリングといった工程に時間を取られていく…そういった中で、出来上がりに満足できずボツ曲も増えていく訳です。

一曲作成するのにかかる時間が昔と今とでは全然違うんです。思っていたような形になかなか仕上がらずゴールがいつまで経っても見えない…これがとにかく辛い。

あと、一番の問題は…モチベーションの維持ですよね。

決して「再生数やマイリスの数=作品の絶対評価値」だとは思っていないんですが、自分の作品に対して右肩下がりの現実があるわけです。

動画サイトに投稿するにはイラストや動画が必要なんですが、そういう状況だとコラボとして他の方にも段々頼みづらくなってくるわけでして。

どうしても申し訳ない気持ちになってしまい、誰にも声をかけることが出来なくなってしまうのです。

一応、配信料などを等分してお渡しするようにはしてるのですが、あまりにも少額なので…お手伝いいただいた方のご厚意に甘えているという感じです。最近動画を自分で作っている主な理由はこういった部分にあります。

そんな風に悶々としている中で、同時期に始めた人達がどんどん高い位置に登っていくのを見つめながら、自分よりもあとから始めた人達に次々と追い抜かれていく…

「世の中にこれだけ才能がある人が作った音楽が溢れてて、自分が音楽を作ることに意味なんてあるんだろうか」

そういった自問自答が月日を重ねる度に自分の中でどんどん巨大化していくわけです。

まぁ…正直にぶっちゃけると…めちゃくちゃしんどいです。

「命を削って…」という表現って大げさに聞こえるでしょうが、精神的にも体力的にも実際にそうなっちゃってます。だって凡人なのに無理しちゃってますからね。

でも…結果として、なんだかんだ言いつつも続いてるんですよね。

理由を考えてみました。

やっぱり好きなんですよ。曲を作るのが。

これが単なる承認欲求なら、とっくの昔に辞めてたと思います。

実際、労力の割に合わなさすぎですから。

今の時代なら、もっとこれから世間的に注目されるであろう他のことやったほうがいいです。バーチャル YouTuber とか。(すぐにレッド・オーシャン化しそうだけど…)

ちょっと横道にそれちゃいましたけど、「そもそもなぜ始めたのか」を思い出すことって大事だと思うんです。

そして、この気持を思い出させてくれる一番の原動力は…

私のような何の取り柄もない人間が作った拙い曲を、見ず知らずの方が聴いてくださっているという事実。

リスナーの皆さんが思っている以上に、作っている側というのは孤独であり不安なのです。

自分としてはどれほど納得いく作品に仕上がっても、「どこかで聴いたような曲になってやしないだろうか」とか、「世の中の一般的な感覚とずれてしまっているんではないだろうか」とか、さらには「もう新しい曲なんて作れないんじゃないだろうか」というマイナス思考が頭の中をぐるぐると駆け巡るんですね。

そんな精神状態でも何とか前に進むことが出来るのは、やはり反応を頂けるからなのです。

あなたにとっては何気ないことでも物凄く有り難いんですよ!これは声を大にして言いたい。

私よりも明らかに才能がある人でも、いつの間にか創作活動から離れていった人はたくさんいます。

色んな事情があるのでしょうけれど、やはり思いとどまらせたり、復帰を促す大きな力になるのは、その人の作品が好きだということをどんな形でもいいから伝えることじゃないかなと。

人生という長いスパンで見た時に、「作曲大好きー!」っていう気持ちだけではやっていけないし、その気持ちだっていつまでも続くか分からない。

ただ、その初期衝動を揺り戻す力を、聴いてくださっている方が持っているということだけはお伝えしたいと思います。

私の場合、有り難いことに昔から応援してくださっている方がいらっしゃいます。最近私の曲を知り、応援してくださる方もいらっしゃいます。

特に自分は「豚もおだてりゃ木に登る」なタイプの単純な人間なので、拙いなりにもここまで続けてこれたのは、そういった声に後押しされたところがかなりあります。

ほんの少し登らせていただいた場所から見えた景色が変わったことで生まれた曲もたくさんあります。

そうやって自分が作った曲であっても、自分の手を離れたら、あとは聴いてくださった方のものだと常々思っているのですが、そこには作り上げる力の源がリスナーの方によるものだという意味合いも含まれています。

「音楽なんて無くても世の中困らないし、音楽が世界を変えたりするはずもない」と斜に構えて分かったような振りをしていても、辛かった時期に心の支えとなった曲があったことを思い返すと、音楽で何か恩返しが出来たらいいな、という気持ちが昔からずっとありました。

「たかが音楽、されど音楽」

ボカロを始める以前の、バンド活動をやってた学生時代からの座右の銘です。

社会人となり、一時期はバンド活動をしていたもののそれも消滅。音楽から離れていた時期もあったのですが、再び向き合うきっかけを作ってくれた初音ミクを始めとするボカロ達。

様々な技術の恩恵にあずかりつつも、そこに介在する色んな人達の手によって、自分も音楽を続けていくことが出来ています。

ありがとう。そしてこれからもまだまだ足掻き続けますので見届けてやって下さい。

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